Netflixドラマ「地面師たち」 超人気作の主な登場人物やキャストを徹底解説!
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Netflixドラマ「地面師たち」とは?

引用:映画ナタリー
Netflixドラマ『地面師たち』は、不動産詐欺を題材にした本格クライムサスペンスです。舞台は東京。巨大な土地取引をめぐり、詐欺師たち、企業、警察の思惑が交錯する緊迫した物語が展開されます。
物語の中心となるのは、「地面師」と呼ばれる詐欺集団。彼らは存在しない土地の所有権を偽装し、あたかも正規の取引であるかのように装って、企業から巨額の金をだまし取ろうとします。主人公の辻本拓海(綾野剛)は、かつて地面師によって家族を失った過去を持ち、その因縁から詐欺の世界に足を踏み入れていきます。
彼が関わることになる詐欺グループは、伝説の詐欺師・ハリソン山中(豊川悦司)を中心に構成された精鋭チーム。偽造書類の専門家、法律の抜け穴に詳しい者、なりすまし役の調整を行う者など、それぞれがプロとしての役割を持ち、緻密な計画のもとで巨大な詐欺を実行しようとします。
一方で、警視庁捜査二課の警部・辰(リリー・フランキー)もまた、彼らの動きを察知し、地道な捜査で包囲網を狭めていきます。
本作では、「騙す側」の視点を軸に描かれるのが特徴で、詐欺の手口や心理戦のリアルな描写が見どころです。登場人物たちの過去や思惑が少しずつ明らかになっていく中で、ただの犯罪劇にとどまらない、人間ドラマとしての厚みも持ち合わせています。
原作は新庄耕の小説『地面師たち』。監督は『モテキ』『バクマン。』などで知られる大根仁、音楽は石野卓球が担当。2024年7月からNetflixで全7話が配信されており、テンポの良い構成と重厚な演出で、高い評価を得ています。
「地面師たち」の主要キャストを紹介
辻本拓海役/綾野剛

引用:映画ナタリー
本作の主人公・辻本拓海を演じるのは、実力派俳優の綾野剛です。かつて地面師によって父の会社を潰され、家族を失った暗い過去を持つ拓海は、深い喪失感と怒りを胸に秘めながらも、表面上は冷静沈着にふるまう、複雑な内面を抱えたキャラクターです。
物語は、そんな拓海が伝説の詐欺師・ハリソン山中に誘われ、詐欺グループの一員として巨額の不動産詐欺に関わっていく過程を描いています。彼はグループ内で「交渉役」として重要な立場を担いながらも、詐欺という行為に対する葛藤や、過去の復讐心との板挟みに苦しむことになります。
綾野剛は、内に秘めた感情を抑えた演技で見せることに定評があり、本作でも言葉少なな役柄に、静かな熱と陰を宿した存在感を与えています。無表情の奥に揺れる感情や、何気ない仕草に込められた戸惑いや怒りなど、繊細な演技が光る役どころです。
犯罪の世界に足を踏み入れながらも、どこか人間らしさを失わずにいる辻本というキャラクターを、綾野剛は抑制と緊張感をもって演じ、ドラマ全体の重厚なトーンを支えています。
ハリソン山中役/豊川悦司

引用:映画ナタリー
伝説の地面師・ハリソン山中を演じるのは、圧倒的な存在感と確かな演技力で知られる俳優・豊川悦司です。ハリソンは、かつて暴力団にも属していた過去を持つ男で、地面師の世界ではその名を知らぬ者はいないほどのカリスマ的存在です。
劇中では、知識・経験・人脈すべてを駆使して、巨額の土地詐欺を仕掛けていきます。冷静沈着で、時にはユーモラスな顔を見せながらも、内面には冷酷さと計算高さを隠し持ち、チームを強引に引っ張っていくリーダーとして描かれます。
豊川悦司は、このハリソン山中というキャラクターに、ただの犯罪者ではない魅力と深みを与えています。どこか飄々としていながら、誰よりも鋭く状況を見抜き、裏社会の論理で物事を動かす姿には、狂気と知性が同居しています。
その存在感は、物語全体に緊張感と説得力をもたらしており、彼の言動ひとつひとつがドラマの流れを左右する鍵となっています。ときに父性的で、ときに絶対的な権力者のように振る舞うハリソンは、主人公・拓海にとっても師であり、対立する存在でもあります。
豊川悦司の持つ静かな凄みと重低音の際立つ声が、ハリソン山中という謎多き男に圧倒的な説得力を与え、視聴者を強く惹きつけました。
後藤義雄 役/ピエール瀧

引用:映画ナタリー
地面師グループの「交渉役」であり、現場の実務を取り仕切る後藤義雄を演じるのは、俳優・ミュージシャンとして幅広い表現力を持つピエール瀧です。
元司法書士であり、不動産関係の資格も複数保持している後藤は、知識やノウハウを活かして不動産売買の交渉を有利に進めていきます。
やや胡散臭さを感じさせる関西弁が特徴で、交渉の場では強気な態度をあえて見せることで、相手を心理的に追い詰めて主導権を握っていきます。その威圧的な姿勢は、単なる強引さを超え、裏社会で鍛え上げられた狡猾さと計算高さを感じさせます。
一方で、詐欺計画を成功に導くために、必要な段取りや法律的な穴も正確に把握し、緻密に準備を整える実務家としての顔も持っています。
詐欺グループ内ではムードメーカー的な存在でもあり、ピエール滝の手腕によって、その憎めない人柄が作品に顕著に表れています。
稲葉麗子 役/小池栄子

引用:映画ナタリー
小池栄子演じる麗子の役割は、詐欺計画の中で地主などの“なりすまし役”のキャスティングや調整を担当する「手配師」です。
彼女は、ターゲットとなる取引に必要な偽の売主や関係者を見極め、適任者を見つけ出した上で本物の地主の個人情報を覚えさせる教育まで担当。その役割には、人を見抜く眼力、嘘を本物のように仕立て上げるセンス、そして何より大胆さと繊細さが求められます。
このような複雑なポジションを演じるうえで、小池栄子は「強さ」と「柔らかさ」を自在に行き来する芝居で麗子という人物像に説得力を持たせました。
仕事中の麗子は、時に非情な判断も辞さないプロフェッショナルですが、その一方で、人間関係に微妙な情をにじませる瞬間もあります。そうした二面性のある人物像を、小池は目線の動きや声のトーンの変化、わずかな表情の揺らぎで繊細に演じました。
また、詐欺という非合法な世界の住人でありながら、どこか品格と知性を感じさせる麗子の佇まいは、小池ならではの存在感といえるでしょう。結果的に、麗子は物語の中心を構成する一人として、強い印象を残すキャラクターとなっています。
竹下役/北村一輝

引用:映画ナタリー
地面師グループの情報屋・竹下を演じるのは、強烈な個性と存在感で知られる俳優・北村一輝です。竹下は、詐欺計画の成功に欠かせない“不動産情報”を集めるスペシャリストであり、表に出ることは少ないものの、計画の土台を支える重要な役割を担っています。
都市の不動産事情や企業の動向、官公庁とのつながりなど、複雑に絡み合う情報を冷静に分析し、詐欺計画を実行可能なレベルにまで落とし込む。その頭脳と調査力はチーム内でも一目置かれる存在です。表向きは飄々とし、どこかつかみどころのない人物ですが、状況に応じて冷酷な判断を下す場面もあり、ただの裏方に収まらない鋭さと不気味さを併せ持っています。
竹下というキャラクターは、詐欺という虚構の世界を裏側から支える“影の仕掛け人”ともいえる存在であり、物語が進む中で、その過去や立ち位置にもうっすらと影が差し込んできます。
北村一輝は、竹下の持つ狂気的な雰囲気と、人を信用しない孤独な佇まいを絶妙なバランスで表現し、作品に一層のリアリティを与えました。
長井役/染谷将太

引用:映画ナタリー
地面師グループの“偽造屋”として暗躍する長井を演じるのは、独特の存在感を放つ染谷将太。
長井は戸籍謄本や登記簿、実印まで精巧に偽造するニンベン師と呼ばれる技術職人で、詐欺の裏側を支えるキーパーソンです。
チームとはほとんど関わらず、個人で仕事を遂行する職人肌な長井ですが、辻本(綾野剛)には協力的で人懐っこい一面も見せています。
ミステリアスな雰囲気の中にふと人間らしさを感じさせる魅力的なキャラクターです。
オロチ役/アントニー

引用:吉本興業
オロチは地面師グループの“現場仕事”を担当する実動部隊のひとり。演じるのは、お笑いコンビ・マテンロウのアントニーです。恫喝まがいの態度や荒っぽい立ち回りで、取引相手を威圧し、場の空気を掌握する役どころです。
コミカルな印象のあるアントニーですが、本作ではその大柄な体格と強面を活かし、暴力の匂いを漂わせるリアルな詐欺師像を好演。セリフの軽妙さと危うさのバランスが、チームの“アウトロー感”を際立たせています。
下村辰夫 役/リリー・フランキー

引用:映画ナタリー
下村辰夫は、警視庁捜査二課に所属する刑事で、地面師グループの動きを追う人物。演じるのは、独特の空気感と深みある演技で定評のあるリリー・フランキーです。
下村は階級こそ警部ながら、定年を間近に控えるベテラン刑事。鋭さの中に疲れや諦念がにじむ姿が印象的で、捜査の現場でも一歩引いた目線を持ちながら、静かに真実を追い続ける姿勢が光ります。
リリー・フランキーは、下村の持つ静かな執念や老刑事としての哀愁を、抑制の効いた芝居で表現しました。
倉持玲 役/池田エライザ

引用:映画ナタリー
倉持玲は、下村(リリー・フランキー)とバディを組む新人刑事。演じるのは、若手ながら確かな演技力を持つ池田エライザです。
玲は刑事ドラマに憧れ、捜査一課志望という熱意あふれるタイプ。理想と現実のギャップに戸惑いながらも、持ち前の真っ直ぐさと観察力で事件の核心に近づいていきます。
ベテラン刑事・下村との対比が印象的で、世代の違いや捜査への姿勢のギャップがドラマに軽やかな緩急を生み出しています。
池田エライザは、若さと未熟さ、正義感を絶妙なバランスで演じ、重くなりがちな詐欺劇に新鮮な視点と人間味を加えています。
青柳 隆史 役/山本耕史

引用:映画ナタリー
青柳隆史は、石洋ハウス開発事業部の部長。演じるのは、緻密でエッジの効いた演技に定評のある山本耕史です。青柳は、社長・安倍川の庇護を受けて出世してきた“社長派”の筆頭であり、社内の派閥争いの最前線にいる人物です。
大井町の再開発案件が頓挫し、焦りを募らせる中で、港区高輪の土地に目をつけ、これが結果的に地面師たちのターゲットとなる導火線となります。成功を焦るあまり、ブローカーや地上げ屋との関係を駆使し、コンプライアンスを無視してでも契約を進めようとする姿勢は、パワハラ気質そのもの。部下に対しても強圧的で、勝ち負けと成果にこだわる“企業戦士”タイプです。
山本耕史は、冷徹かつ高圧的な青柳のキャラクターを鋭く体現。表面上は理路整然としながらも、内心は功名心と焦りに支配されている男の複雑さを、緊張感のある芝居で魅せています。青柳は、地面師事件を生む構造の一端を象徴する存在であり、物語に現代社会のひずみをリアルに刻み込んでいます。
最後に
今回は、Netflixドラマ「地面師たち」の主な登場人物とキャストを徹底解説しました。
巧妙な詐欺劇と重層的な人間ドラマが交錯する「地面師たち」において、その緊張感とリアリティを支えているのが、綾野剛、豊川悦司、小池栄子をはじめとする実力派キャストたちの圧巻の演技であることが明らかになったかと思います。
詐欺師、警察、不動産業界の内部関係者という立場も動機も異なるキャラクターたちが、それぞれの信念と欲望を抱えて交差していく中で、人間の本性や社会の闇をありありと描き出しました。
ぜひ、キャストの演技に再注目しながら「地面師たち」を改めて楽しんでみてください。