
「ひよってるやついる?」の意味とマイキーの名言解説
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「ひよってるやついる?」の意味・元ネタとは?

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「ひよってるやついる?」は、困難を前に臆している仲間を鼓舞する際に使われる言葉です。
「この状況に怖気づいているやつはいるか?」というニュアンスが込められており、挑戦を前にした仲間の士気を高めるような場面で使われます。
この言葉の元ネタは、人気漫画『東京卍リベンジャーズ』に登場するセリフ。
コミックス第2巻・第11話「Reburn」(アニメでは第1期・第5話「Releap」)で、主人公の1人であるマイキー(佐野万次郎)が放った印象的な一言として知られています。
2021年上半期の「JC・JK流行語大賞」コトバ部門では第3位にランクインし、若者の間で一気に広まりました。
ここからは、「ひよる」という言葉の意味や語源について詳しく紹介します。「ひよってるやついる?」を正しく使いこなしたい方は、ぜひ参考にしてみてください!
そもそも「ひよる」とはどういう意味?
「ひよる」は、時代の流れとともに本来の意味とは異なる使われ方をするようになった言葉のひとつです。
もともとの意味は、「有利な立場につくために、状況を見極めて行動を決めること」です。強い側に味方して得をしようとしたり、自分の意思を曲げてでも有利な方へ流れたりするニュアンスがあります。
この意味に近い類語としては、「勝ち馬に乗る」が挙げられるでしょう。また、そこから派生して「物事に対して積極的に関わらず、静観する」という意味でも使われてきました。
いずれも、どちらかといえばネガティブな印象を持つ表現です。しかし近年では、こうした意味で使われることは少なくなり、代わって「怖気づく」「ビビる」といった意味で使われるケースが増えています。
特に若者の間では、後者の意味で「ひよる」が使われることが主流となっています。
「ひよる(日和る)の語源とは?
「ひよる」は、「日和見(ひよりみ)」という名詞から派生した動詞です。「日和(ひより)」はもともと空模様や天候を意味し、「日和見」とは天気の様子を見て行動を決めることを指します。
たとえば江戸時代には、風向きや雲の動きなどを観察しながら、航海のタイミングや進路を決めていました。こうした背景から、「ひよる」は「状況をじっくり見てから判断する」といった意味を持つようになりました。
このように、本来の「ひよる」にはネガティブな意味合いはありませんでした。しかし、1960年代の学生運動をきっかけに、否定的なニュアンスが広まります。
当時、運動に参加せず傍観していた学生たちに対し、活動家たちは批判的に「日和見主義者」と呼びました。そこから、「ひよる=怖気づく・傍観する」といった消極的な意味で使われるようになり、今日のようなイメージが定着したと考えられています。
「ひよってるやついる?」は「いねーよな?」までがセット

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「ひよってるやついる?」は、通常「いねーよな?」という言葉とセットで使われることが多く、挑発的でありながら仲間を鼓舞するような印象的なセリフです。
この言葉が登場するのは、『東京卍リベンジャーズ』の中でも特に印象的な場面。敵対グループ「愛美愛主(メビウス)」との対立が激化する前、東京卍會のメンバーが気持ちをひとつにする重要なシーンです。
物語では、東京卍會の創設メンバーの一人であるパーちんが、愛美愛主に友人をひどく傷つけられたことを告白します。それを聞いたマイキー(佐野万次郎)は怒りをあらわにし、「仲間が傷つけられているのに、ひよってるやつなんていないよな?」という想いを込めてこのセリフを放ちます。これは、東京卍會のメンバーたちの士気を高め、愛美愛主に立ち向かう覚悟を固めるきっかけとなった重要な言葉でした。
このセリフは、仲間への信頼や絆、そして強い意志を象徴する言葉として、多くのファンの心に残る名場面となっています。
名言を放ったマイキーはどのような人物?

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「ひよってるやついる? いねーよな?」という名セリフで知られるマイキーは、不良集団「東京卍會(とうきょうまんじかい)」の総長を務めるカリスマ的存在です。かつて「黒龍(ブラックドラゴン)」の総長を務めていた佐野真一郎を兄に持ちます。
身長は低く、細身ながらも驚異的な戦闘力を誇り、蹴りひとつで大柄な相手を倒す実力の持ち主です。
小学生時代には高校生の不良を一撃で倒したという描写もあり、幼い頃から群を抜いた強さを発揮していました。その圧倒的な実力から、不良たちの間では「無敵のマイキー」と呼ばれています。
その一方で、中性的で優しげな顔立ちや、どら焼き・たい焼きといった甘いものを好む点など、かわいらしい一面も持っています。「食べたらすぐにどこでも寝てしまう」「レストランで注文したお子さまランチに旗が立っていなかったことに拗ねた」など、まるで子どものようなエピソードもあり、そのギャップもまた彼の魅力のひとつです。
さらに、マイキーは仲間想いな性格でもあり、東京卍會を設立する際には「一人ひとりがみんなを守るチームにする」という目標を掲げていました。
強さと優しさ、そしてどこか無邪気な可愛らしさ。そのギャップこそが、多くのファンを惹きつけるマイキーの最大の魅力と言えるでしょう。
「ひよってるやついる?」以外にマイキーが言った名言はある?
マイキーの名言は、「ひよってるやついる?」だけではありません。作中では他にも、多くの心に残るセリフを残しています。その言葉のひとつひとつには、マイキーの強い意志や信念が込められており、読者の胸を打つ場面も少なくありません。
中には、彼の言葉に心を動かされ、マイキーのファンになったという人も多いでしょう。
ここからは、そんなマイキーの名言の中でも、特に印象的な3つを取り上げ、それぞれの背景や魅力を解説していきます。
『東京卍リベンジャーズ』やマイキーというキャラクターに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
だからオレが不良の時代を創ってやる
このセリフは、コミックス第1巻・第5話で、ドラケンと主人公・タケミっちに向けてマイキーが放った言葉です。
現代では「不良=ダサい」という風潮がある中で、彼が抱く「かっこいい不良でありたい」という思いから生まれた一言でした。
マイキーにとって、“かっこいい不良”の象徴は、かつて東京中の不良たちから慕われていた、亡き兄・佐野真一郎です。兄のように誰からも尊敬される存在になりたい、そして“あの頃”のような「不良がかっこよかった時代」をもう一度取り戻したい。
そんな強い信念を持つマイキーの姿に、心を打たれた読者も多かったことでしょう。
オレが後ろにいるかぎり誰も負けねぇんだよ
コミックス第3巻の第15話、愛美愛主(めびうす)との抗争の場面での一幕です。
愛美愛主の総長である長内(おさない)と東京卍會のパーちん(林田春樹)がタイマンを張りますが、パーちんは立ったまま意識を失ってしまいます。彼が倒れそうになった瞬間、すんでのところでマイキー(佐野万次郎)がパーちんを支えました。
敗北を悟り、謝罪するパーちんに対し、マイキーは「お前は負けていない」と告げます。そして長内に近づき、一撃で彼を倒しました。
その後、愛美愛主のメンバーに対し、「パーちんが負けたと思っている奴は全員殺す、東京卍會はオレのものだ」と宣言し、さらにこのセリフが放たれたのです。その圧倒的な強さと頼もしさは、「無敵のマイキー」と呼ばれる彼だからこそ言える一言と言えるでしょう。
本当に大切な事は喧嘩に勝つ事じゃねぇ 自分に負けないことだ
このセリフは、コミックス第13巻・第109話で描かれたものです。
どれだけ不利な状況でも決して諦めず、何度倒されても立ち上がるタケミっちの姿に、マイキーはある人物の面影を重ねました。それは、かつて彼が心から憧れていた兄・佐野真一郎です。
真一郎は喧嘩が強いわけではなかったものの、絶対に屈しない「心の強さ」を持っており、その姿勢は周囲の不良たちからも慕われていました。タケミっちの不屈の精神は、まさにその真一郎にそっくりだったのです。
そのためマイキーは、タケミっちに対して心からの敬意を込め、この言葉をかけました。
さらにこのシーンでは、「オレがオレでなくなりそうな時は、兄貴のようにオレを叱ってくれ」とも語っており、マイキーがどれほどタケミっちに信頼を寄せているかがわかります。
タケミっちを“兄のような存在”として重ね見ていたマイキーの繊細な感情が伝わってくる場面です。
この名言は、単に喧嘩や抗争の場面だけでなく、仕事や日常生活においても心に響く言葉として、多くの読者から共感を集めています。強さとは何かを問いかける、マイキーの名セリフのひとつと言えるでしょう。
まとめ
「ひよってるやついる?」という言葉は、仲間の心を奮い立たせる強いメッセージとして、多くの人に受け入れられています。
この名言は、東京卍リベンジャーズのキャラクター・マイキーのカリスマ性を象徴するセリフであり、仲間を思う彼の姿勢に共感するファンも数多く存在します。
さらに、作品内のほかの名言や背景を知ることで、マイキーの人物像がより鮮明に浮かび上がってきます。この記事が、名言の背景を知りたい方の参考になれば幸いです。