宝塚歌劇団星組による『阿修羅城の瞳』『エスペラント！』は2024年4月6日から5月12日まで東京宝塚劇場で上演され、主演は礼真琴と舞空瞳が務めた。『阿修羅城の瞳』は中島かずきの戯曲を原作とし、劇団☆新感線の代表作のひとつとして知られる作品で、2003年の舞台版や2005年の市川染五郎主演の映画化によっても注目を集めた。人間と鬼との狭間で生きる主人公・病葉出門の葛藤と愛を描いた本作は、宝塚版では礼真琴の圧倒的な表現力と舞空瞳の繊細な演技で新たな魅力が加わり、星組ならではの重厚な世界観が評価された。演出は生田大和が担当し、宝塚歌劇ならではの華やかさと原作のダークな世界観を巧みに融合させた構成が話題となった。併演のレビュー作品『エスペラント！』は藤井大介による演出で、スペイン語で「希望の言語」を意味するタイトルが象徴するように、多彩な音楽とダンスで構成されたエネルギッシュなショーである。礼真琴が華やかなナンバーで観客を魅了し、舞空瞳との息の合ったパフォーマンスが舞台全体を彩った。2本立てで届けられたこの公演は、星組の実力と魅力を存分に堪能できる内容として高い評価を受けた公演である。