舞台『おどる夫婦』は、2024年10月に東京・シアター1010を皮切りにスタートし、福岡・キャナルシティ劇場、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールなど全国を巡回した注目作である。主演を務めたのは和田正人と高柳明音で、夫婦役を軽やかに演じながらも、人生の機微を繊細に表現した点が高く評価された。脚本と演出を手がけたのは、映画『はじまりはヒップホップ』にインスパイアされた今井隆文で、人生の終盤を迎えたシニア夫婦がダンスを通じて再び絆を取り戻していくストーリーが展開された。作品のモチーフにはニュージーランドの高齢者ダンスグループの実話があり、老いと再生を温かく描いた内容が話題を呼んだ。舞台上では本格的な社交ダンスやコミカルなやりとりが織り交ぜられ、観客の笑いや涙を誘った。高柳明音は元SKE48のメンバーで、近年は舞台を中心に俳優業を展開しており、本作ではその成長ぶりが際立った。また、演劇ユニット「TEAM-ODAC」で知られる今井隆文の演出によるテンポの良さと温かみのある脚本も作品の魅力の一つである。
