ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』はロマン・ポランスキー監督の1967年の映画『吸血鬼』を原作とし、1997年にウィーンで初演されたゴシック・ホラー・ミュージカルである。音楽はロック界の重鎮ジム・スタインマンが手がけ、彼の代表曲「Total Eclipse of the Heart」などのメロディも一部に使われている。日本では2006年に帝国劇場で初演を迎え、以降も何度も再演されている人気作品であり、演出はポランスキー自身が初演から手がけている点も注目である。日本版では山口祐一郎がヴァンパイア伯爵クロロック役を務め、独特の存在感と圧倒的な歌唱力で観客を魅了し続けている。ストーリーは、若き助手アルフレートと共に吸血鬼伝説を調査する教授アブロンシウスが、伯爵クロロックの城で奇怪な事件に巻き込まれていくというもの。ホラーでありながらユーモアを交えた演出が特徴で、セットや衣装の美しさ、ダンスや音楽の迫力が観客を異世界へと誘う。2024年の公演では帝国劇場をはじめとした全国ツアーも行われ、チケットは即完売するほどの盛況ぶりを見せた。演者の入れ替わりや演出のアップデートもあり、毎回異なる魅力を放つ作品として高いリピート率を誇る。
