2025-06-05更新
舟木一夫(ふなきかずお)は、1960年代を中心に絶大な人気を誇った日本の歌謡界を代表する存在であり、「青春歌謡」の旗手として知られる。1944年12月12日生まれで、本名は上田一夫。高校在学中から音楽に親しみ、1963年に東芝レコード(現・ユニバーサルミュージック)から「高校三年生」でデビューを果たす。この曲は卒業を控えた学生たちの心情を瑞々しく歌い上げ、同年の大ヒットとなった。その後も「学園広場」「修学旅行」「仲間たち」など、学生生活を題材にした楽曲を立て続けにリリースし、若者を中心に絶大な支持を得た。当時の中尾ミエ、橋幸夫、西郷輝彦らと並び、いわゆる“御三家”の一角として名を連ねた。舟木の端正なルックスと透明感ある歌声は、少女たちの憧れの的であり、映画やテレビドラマにも多数出演し、俳優としても活躍した。1970年代以降は一時的にメディアへの露出が減少したものの、1980年代から再評価が進み、1986年には「高校三年生」のセルフカバーで再び注目を集めた。以降も全国各地でのコンサートや舞台公演を精力的に行い、その実力と人気を保ち続けている。近年では「青春とはなんだ」などの持ち歌が昭和歌謡の定番として定着し、若い世代の耳にも届く存在となっている。舟木は長年にわたり事務所・オフィスKと契約を結び、プロとして一貫した活動を継続している。昭和から令和にかけての日本歌謡史に名を刻み続ける、稀有な存在である。
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