ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団は、ドイツのケルンを本拠とする伝統あるオーケストラで、1857年に設立された。当初は市の祝祭的な音楽イベントに合わせて結成され、次第に常設の楽団としての体制を整えていった。ドイツ語ではGürzenich-Orchester Kölnと表記されるこの楽団の名称は、かつてコンサート会場として用いられた中世の建築物ギュルツェニヒに由来している。20世紀に入ってからはケルン・フィルハーモニーに本拠地を移し、同会場での定期演奏会を中心に活動している。また、オペラ公演においてはケルン歌劇場のピットにも入るため、オペラとシンフォニーの両輪でその実力を発揮してきた。音楽監督には歴代に渡って名指揮者が名を連ねており、近年ではフランソワ＝グザヴィエ・ロトがその職に就いている。彼の指揮のもと、バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを取り上げ、高い芸術性と独自の解釈によって国内外から高い評価を受けている。また、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーなどドイツ音楽の本流だけでなく、メシアンやリゲティといった20世紀以降の作品にも積極的に取り組み、革新性を保ち続けている。録音活動にも力を入れており、ハルモニア・ムンディなどのレーベルから数々の受賞歴を持つアルバムを発表している。
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