SPARKS（スパークス）はアメリカ・ロサンゼルス出身の兄弟ユニットで、ロン・メイル（Ron Mael）とラッセル・メイル（Russell Mael）の二人によって構成されている。バンドは1971年にアルバム『Sparks』でデビューを果たし、当初はハーフネルソンという名義で活動していたが、後にSPARKSに改名して以降、そのユニークな音楽性と風変わりなビジュアルが注目を集めた。ラッセルはハイトーンなボーカルを担当し、ロンは無表情でキーボードを弾き続けるという独自のスタイルで知られている。彼らの音楽はロック、シンセポップ、アートポップなど多岐にわたるジャンルを横断しており、1974年のアルバム『Kimono My House』に収録された「This Town Ain’t Big Enough for Both of Us」が大ヒットしたことで、特にイギリスでの人気を確立した。1970年代後半にはジョルジオ・モロダーと組んでディスコ路線にも挑戦し、『No.1 In Heaven』（1979年）でシンセサウンドの先駆者的存在となった。1980年代以降も『Angst in My Pants』『Music That You Can Dance To』など時代に合わせたサウンドを提示し続け、ポップカルチャーの文脈で再評価される機会も多い。近年では2021年に公開された映画『アネット』の音楽と脚本を手掛け、カンヌ国際映画祭で大きな話題となった。また、同年には彼らのキャリアを追ったドキュメンタリー映画『スパークス・ブラザーズ』も公開され、50年以上にわたる活動が新たな世代にも注目されるきっかけとなった。長いキャリアの中で幾度となくスタイルを変えながらも、常に独創性と前衛性を失わない彼らの姿勢は、多くのアーティストに影響を与えている。
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