若村麻由美は1987年にNHKの連続テレビ小説『はっさい先生』の主演で女優デビューを果たした人物である。芸能界入りのきっかけは、文学座附属演劇研究所での演技経験を経て、その演技力が認められたことであった。『はっさい先生』では大阪の町医者の娘でありながら、明治時代の女教師として奮闘する役どころを演じ、多くの視聴者の心を掴んだ。所属事務所はトライストーン・エンタテイメントである。デビュー以降、彼女は舞台・テレビ・映画と幅広く活動しており、とりわけ時代劇や重厚な人間ドラマでの存在感が高く評価されている。1990年代以降は『細うで繁盛記』や『愛という名のもとに』などでの好演が注目され、実力派としての地位を確立した。また、2000年代には『科捜研の女』『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』などの人気ドラマにゲスト出演し、その都度話題を呼んでいる。映画では『阿修羅のごとく』や『沈まぬ太陽』などで重要な役を担い、作品全体の重みを支える演技を見せた。舞台でも蜷川幸雄演出の『近代能楽集』や、三島由紀夫原作の『サド侯爵夫人』に出演するなど、古典から現代劇まで幅広く演じており、演劇人としての評価も高い。私生活では2003年に野村萬斎の父・野村万之丞と結婚するが、2004年に夫が急逝し、以降は女優業に専念している。2023年にはテレビ朝日のドラマ『特捜9』にレギュラー出演し、新たな魅力を発揮している。年齢を重ねるごとに深みを増すその演技は、多くの作品で欠かせない存在となっており、テレビや舞台を問わず常に注目を集めている。
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