『機動戦士ガンダム』は、1979年4月7日から1980年1月26日まで名古屋テレビほかで放送された日本のロボットアニメで、サンライズが制作を担当し、富野喜幸（現・富野由悠季）が総監督を務めた作品である。放送当初の視聴率は低迷していたが、徐々に熱心なファン層を形成し、プラモデルを中心とした関連商品が爆発的に売れたことで社会現象となり、後に“ガンプラブーム”と呼ばれる現象を生んだ。物語は宇宙世紀0079を舞台に、人類が宇宙へと進出した未来社会において、地球連邦軍とジオン公国軍の戦争を描く。主人公アムロ・レイは、地球連邦軍の最新鋭モビルスーツ「RX-78-2 ガンダム」に偶然乗り込むことで戦争に巻き込まれていき、ニュータイプとしての覚醒や数々の戦闘を通じて成長していく姿が描かれる。対するライバルは仮面の男シャア・アズナブルであり、その卓越した操縦技術や思想、さらには複雑な人間関係が物語に深みを与えた。メカニックデザインは大河原邦男が担当し、それまでの“スーパーロボット”とは一線を画す“リアルロボット”としての新たなジャンルを切り拓いた。作中に登場するモビルスーツは兵器としてのリアリティを重視しており、戦争という非日常の中での人間ドラマや政治的な駆け引きが濃密に描かれている点が特徴である。本作の放送終了後には劇場版三部作が公開され、さらに『Ζガンダム』や『ガンダムUC』など数多くの続編や外伝が展開され、ガンダムシリーズ全体の礎となった。また、シャアとアムロの因縁は『逆襲のシャア』まで続き、シリーズを象徴する存在として今なお多くのファンに愛されている。日本のアニメ史においても、『機動戦士ガンダム』は商業面・芸術面の両方で極めて大きな影響を与えた金字塔的作品である。
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